結婚に関する思考を巡らせていて行き詰まったとき、必ず立ち返ってくる自分への問い。
別にこのまま一人でもいいんじゃないか。
別に、20代の今じゃなくても、もっと後でもいいんじゃないか。
結婚するかしないかは本人の選択で、結婚しなくても人生を謳歌している女性を、たくさん見てきた。この道も全然アリだと思う。
でも唯一、還暦を迎え年々年老いていく両親と一緒にいるときだけ、「早く結婚しなきゃ」って強く思う。
今は100歳まで生きる時代だし…なんてのは幻想だ。私の父方のおじいちゃんは62歳で死んだし、おばあちゃんは65歳で痴呆になった。
今回は、自分の両親がまだ元気なうちに結婚、そして出産することの利点を3点あげていこうと思う。
自分にとって:女性として、母親としての大先輩、お母さん
初めて生理がきたとき、私たちは例にもれず母親を頼った。
女性が特有に抱える悩みは、友達にも相談しづらいものだ。私も10代から20代の今にかけて自分のカラダの小さな異変を経験してきたが、お母さんに相談すれば一発で精神の安定が得られた。
お母さんは女性として、母親としての大先輩であることを実感する。
妊娠・出産・子育ては最初は誰にとっても初めてのこと。周りに誰も頼れる人がいなくて、精神的に追い込まれるケースは今や全然めずらしくない。
たいして大きな問題でないことは自分でわかっていても、誰かに「そういうもんよ」とただただ言ってもらいたい状況は女性だったら理解できるだろう。
もちろんお母さんは専門家ではないので、それだけを頼りにするのは危険だが、少なくとも私や兄弟を育ててきた経験者としてのアドバイスはもらえる。利害関係の一切ない、私だけのためを思って出てきた言葉。それがどんなに信頼できるものであることか。
さらには、親が近くに住んでいることのメリットは計り知れない。 「ワンオペ育児」の対義語を「フォーオペ育児」としよう。
仕事柄、子育て家庭を見る機会が多く、おじいちゃんとおばあちゃんが大活躍する場面を目の当たりにする。
2人目3人目の出産時、子どもの夏休みあるいは学校が急に休みになったとき…。子どもをとにかく一時的に預かってほしい!という状況下で、一番信頼できる無料の託児所、それが実家だ。
子どもにとって:無条件に甘やかしてくれる存在の大切さ
親となれば、子どもをしっかりとしつけないといけない場面がたくさん出てくる。
仮にあなたの親は「放任」に映ったとしても、歯磨きの仕方からお尻の拭き方、お箸のマナーも明日の学校の準備の仕方も、全部親が教えてくれたことだ。子ども一人の力では何もできない。だって、ほっといたら動物だもん。
時には厳しく言わないといけないときもあるだろう。ていうか、基本、厳しくしつけないとまともな子は育たない。だって、ほっといたら動物だもん。
でも、子どもだって、いつもいつも厳しくされてたらストレスがたまる。親だって完璧じゃないので、時には個人的な事情からついつい感情的になってしまうこともあるかもしれない。それを子どもは受け止めるしかないのだ。
そこで、無条件に甘やかしてくれるおじいちゃんとおばあちゃんの存在が、子どもにとっていかに癒やしの空間であることか。
お母さんはポテチなんて食べちゃダメっていうけどおばあちゃんはくれる!お父さんは早く寝ろっていうけど、おじいちゃんと一緒に寝るときはいつまでもふとんのなかで遊んでてオッケー!!
子どもにもこんな逃げ場が必要なときだってある。「フォーオペ育児」におけるそれぞれの役割分担が効を奏しているってことだ。
親にとって:何歳になっても、誰かから頼りにされたい
父親が数年前定年退職し、一気にげっそり痩せた。
現役時代はそれなりにバリバリ働いていて、大勢の人から必要とされる存在だったのが、一転。私たちから「大丈夫?」という声をかけられる度に、父は不愉快そうだ。
人は趣味という、消費するの人生だけでは満足できない。誰かに幸せを与えてこそ、自分の存在価値を確認できる。今私に子どもがいて、お父さんとお母さんに”老後の仕事”を与えられていたら、こんなに老いてなかったかもしれない。今すでに少しの後悔を抱えている。
大人になってもなお、絶対的な愛を与えてくれる両親。できるだけ長生きして欲しい。
何かをしてあげることよりも、今まで通り頼っていくことが、両親に元気でいてもらう極意かもしれないと思う。早く、孫の面倒を見てもらわなくては。
昔、東南アジアに住んでいたとき、仲良くしていたアラサーの女性の先輩が結婚した。当時31歳。
海外には、自分だけの人生を謳歌している女性が多い。 自分の力で日本を飛び出してきちゃうくらいガッツがあるので、当然かもしれない。
だからこそ、女子会では、結婚することに関して真正面から議論できる。
日本でこれから結婚する人に対しては攻撃的過ぎるけど、あのコミュニティだからこそ許された「なんで結婚するんですか?」という質問。
彼女は「親孝行」と答えた。
そのときはその感覚が全くわからなかった。
でも、年々痩せておじいちゃんみたいになっていくお父さんを見ていて、思う。
私を溺愛するお父さんに、ウェディングドレス姿見せてあげたい。
コロナで盛大にはできなくても、お父さんのために絶対、結婚式はするんだ。お父さんに手紙書くんだ。
そのために結婚したいってのは少々焦点がずれているけど、誰かと一緒に泣いたり笑ったりする瞬間の、その点のつながりを幸せって呼ぶのかもしれない。
コメント