とある婚活パーティでの話。
あれは雨の日だった。
出席人数が開催人数に達するかどうか瀬戸際だと、パーティを主催する会社から電話が来ることがある。
瀧さん、いつもお世話になります。本日14時から当社の○○会場にてお見合いパーティがあるんですけれども、無料でご招待させていただきたく思いましてご連絡差し上げました。ご都合いかがですか?
ご連絡ありがとうございます!行きまーす!!
婚活も長くなってくると、スタッフ会場の人とも顔見知りになるもんだ。それが田舎の就活。
ところでスタッフのお姉さん、かわいいよね。参加者より目立たないようにしてくれ!
話は逸れたが、こんなふうに開催間際にパーティ主催会社のスタッフから直接電話がかかってきたり、SNSが届いたりすることがままある。
しかし、ギリギリになっても人数が集まらないパーティにはやはりそれなりの理由があることがわかってきた。今回は私が経験した不可解なパーティについてレポートしていこうと思う。
都会から出張中の人
パーティの男女比は4対4。1対1で話せる時間が7~8分用意されていて、順番に全員と話せる形式の、あれだ。
会場に着くと、男性同士が話をしていた。
友達同士の参加かあ、なんてこの時点では思っていた。
はい、そしてお見合いスタート。
一人目のお相手は
医者、41歳、年収1500万円
な、なんと!お医者様のご登場!!
あまりにも高スペックなプロフィールカードに驚愕。
お医者様なんですか?!すごーい!どのあたりの病院…
え、住んでいるところ:名古屋?????
なんとこの医者、はるばる名古屋から私の県まで出張してきていた。ちょ…コロナ菌を地方に持ち込まないでくれ…!!
名古屋からいらしたんですか…(沈黙)
昨日までこっちで仕事でね。
でも医者ってどこでもできる仕事だから、○○県で超真面目に嫁探ししてるよ。
適当がすごい。医者なら頭使ってもっとうまいこと言えよ!
そしてなんと、この41歳の医者が後輩を2人連れてきていた。
4人中3人が、新幹線で3時間以上離れたこの田舎に来て。このパーティに参加している。みんな、絶対、珍しいモノ見たさ、あわよくばお持ち帰り目的で来てるよね。
まじめに自己紹介し合うするのもバカらしい。医者の恋愛事情などをちょっと話して終わった。
その医者はだいたい不動産会社が開催する合コンで女の子と出会うんだって。お金持ちの医者と仲良くしたい不動産会社の営業が、「女の子集めるけど飲む?」的に誘ってくるとのこと。なんか、社会(の裏側)勉強したわ。
医者だから、とかっていうつもりは全然ないけど、パーティの進行スタッフに対して「うわ~シュールやな~」って突っ込んだり、「これもうみんなで話したらええんちゃう?」とかつぶやいたりするの見て、お金より人間性が大事、って当たり前のこと再確認した。
あげくの果てに。
このパーティ、俺らが参加してなかったらどうなってたん?俺らに感謝よね。
あなた方が参加してなかったら、(無事)パーティは人数集まらないって理由で中止になり(誰も時間を無駄にせずに済み)ましたよ。
ちなみに、医者の一人とマッチングした女の子がいたが、待ち合わせの場所にいなかったとのこと。
まったく、終わってる。
そこで思い出す。
あ、私も昔同じことしたことあったわ。
旅行中の人
ここまで医者をボロクソに言っといてなんだが、これは因果応報。
私も若い頃、友達と神戸に旅行中に、予定していた夜のイベントが天候によりキャンセルになり、婚活パーティに参加したことがある。
完全な好奇心だった。
今考えると、あのとき出会った兵庫県庁の人なんかは結婚に最適だったと思う。
報いを受けた今言いたい。ごめんなさい。
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